SOUNDERVOLT SV01 U.S.A. WEST GP 1977
"BIRTON" from 赤いペガサス

STUDIO27 SV2006 (1/20)






2013年10月1日完成。

漫画「赤いペガサス」に登場するサンダーボルトエンジニアリングチームのマシンです。
ドライバーはエースとしてマシン開発にもかかわったロック・ベアード。
1/20F1キット2作目です。
当初SV009というマシンで参戦したが、初戦でマシンに多くの問題が発覚し、
ベアードが第2戦を欠場してまで完成させたニューマシンがこのSV01です。
フィニッシャーズのピュアホワイトで塗装、オートクリアーでコートしてあります。

このマシンに乗るロック・ベアードは、チームのメインスポンサーであるバートン社がバックアップする
実力も兼ね備えた現役F1ドライバーで、裕福な家庭の出身者が多いF1ドライバーの中では珍しく
貧しい家庭で育ったものの、若い頃からバートン社長のバックアップを受けてここまで来たという設定です。

ですので、名誉より金を求める彼は他のドライバーに対して敵対心が強いのですが、
自身がテストを繰り返して完成させたニューマシンをすぐに乗りこなしてしまうケンに対しては、
ドライバーとしての実力も含めて特に激しい対抗心を燃やし、第3戦南アフリカGPをむかえます。

ここではSV01のデビュー戦にも関わらず決勝スタート後3位につけますが、
途中で降り出した大雨により大混乱となる中猛然と追い上げたケンと激しいバトルを繰り広げ、
ケンとハントを引き離しトップに立ったところでタイヤがバーストしリタイヤしました。

そして続く第4戦、ベアードの地元となるロングビーチで行われる西アメリカGPでは、
貧民街で共に育った恋人(リサ)と、彼をバックアップするバートン社長を前に成功するべく絶好調で、
予選ではアンドレッティに続く2位につけます。(ケンは3位)

そして運命の決勝。
ハントとラウダの接触に乗じてトップに出たリジェのラフィーをケンとともに抜いたベアードは、
エースのベアードを前に出して1、2をキープしろと激しく主張するバートン社長を前に、
チームが出した指示により道を譲ろうとするケンに応じず、アンドレッティを加えた3台でのトップ争いに突入。

ここで、前を走るケンがコース上のオイルにリアタイヤを取られたところにベアードが接触し、
そのすぐ後ろを走っていたアンドレッティに挟まれた彼のSV01は舞い上がり大クラッシュ。
燃料に引火し炎上してしまいますが、彼は曲がったハンドルに足を挟まれて出られなくなります。
あまりの炎にコースマーシャルもひるむ中、真っ先に駆けつけたケンは制止を振り切り炎の中に突入、
ベアードを助けようとしますが、火達磨になったベアードが自分の腕にしがみついてきたときに
反射的に彼を突き飛ばしてしまい、ベアードはそのまま焼死してしまいました。

少年漫画にしては非常に重いエピソードですが、
これは1973年に実際に発生した事故がベースとなっており、現実はもっと重いです。

1973年、F1ではなくF2に参戦していたロジャー・ウイリアムソンは、
F1とF2を掛け持ちしていたジャン・ピエール・ジャリエがF2のチャンピオン獲得を狙って
F2に専念することになり、その代役としてシーズン途中からF1に参戦することになります。

その2戦目となる1973年7月29日のオランダGP決勝の8週目で、
タイヤのトラブルからコースアウトした彼のマシンは、ガードレールに弾き飛ばされて土手を転がり
コース上に転落して横転、そこで火がつきコース上を燃え上がりながら逆さまのまま滑っていき、
ガードレール沿いのコース脇にやっと停止しました。

このとき同僚のデビット・パーレイがマシンを止めて救出を試みるが一人ではどうにも出来ず、
コースを通る他のドライバーに停車と協力を求めるも、そのパーレイを見て他のドライバー達は
無事脱出したと思ってしまい誰一人停車せず、パーレイは目の前でウイリアムソンが焼死していくのを
分かりながら肩を落として去る、という悲劇的な結果となってしまいます。

パーレイとウイリアムソンは同僚だったので、多くのドライバーがパーレイのことをウイリアムソンだと
勘違いしたようで、このとき出走していたラウダもそのように証言しています。
後にパーレイは「あの時彼はまだ生きていたんだ。 デビット、俺をここから出してくれ、と叫んでいたんだ」
と語っています。

漫画の方では、ベアードの葬儀の際にケンが「あの時彼の両足は確かにハンドルから外れたんだ、
それなのに俺は彼を突き飛ばしてしまった。」と懺悔します。 その場はラウダが
自身の事故体験を引き合いに出し炎の中に飛び込んだケンの勇気を称えたことでおさまりましたが、
ケンは大きなショックを抱えてその後のレースに挑むことになります。

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