ベース車だけでも悩みどこ

そもそもベース車ですが、2シーター/2by2、ターボ/NA、MT/AT、初期型~6型までZ32は組み合わせが多い。
でも私はNAのことは語れないのでターボを前提に、ミッションはMTでもATでも好きな方でいいと思います。 まぁ800馬力とかにするならMTですが。
で、一番大きいのは2シーターか2by2か。 これはホイールベースが12cmもの差があり走りが全然違うからです。
以前2シーターに乗った時、あまりにもよく曲がるのでとても驚きました。


Z32のような大パワーFRはフロントタイヤに履けるサイズに限界があり、リアタイヤの方が太くならざるを得ない。 当然この場合アンダー傾向が強くなる。
それを考えると、2シーターの方が2by2よりその傾向を抑えられる。 その上、2シーターなら剛性的に有利なノーマルルーフも選択できる。
そして、ボディ剛性に強化が入った最終の6型が一番良いでしょう。 ただ、タマ数が少なくて見つかるかどうかが問題ですが。

エンジンはどこまで?

大きく分けると①ブーストアップ、②エンジンノーマルにタービン交換、③ボアアップしてタービン交換の3種類あると思います。
①だと350ps、②は450ps、③は500ps以上、とことんまでやれば1000psも可能です。 どこまでやるかは資金と気持ち次第ですが、
正直②が一番コスパも良くて面白いと思います。

エンジン本体

もう年式も古いですし距離も走っている車ばかりだろうから、オーバーホールは必須だと思います。
当然エンジンだけじゃなくタービンもくたびれているだろうから、同時に交換してしまった方が良いと思います。
この時、純正コンロッドは500ps以上は持たないらしいので、500ps以上を目指すのであれば交換ついでにボアアップしてしまった方が良いですね。


ボアアップするのなら、鍛造ピストンは89φで3.1リッターが基本かと思いますが、以前は東名から90φ、エスコートから90.5φが出ていました。
コンロッドは強度が出しやすく安価にできるH断面と、軽量化しやすいが加工に手がかかり高価になりがちなI断面がありますが、どちらでも問題ないでしょう。
ついでに一通りのエンジン加工やカムもやった方が良いと思いますが、正直3.2リッターは必要ないと思います。 ATなら低速トルク増えるから良いかもだけど。

タービン

以前はHKSからGT2530キット、トラストからTD04H、TD05Gキット、他にもN1タービンやS14斜流タービン、K26のキットとかもありましたが、
今国内製ではトラストのTD04Hキットしかないですね。 あとは福岡のDAYTONAで扱っているアメリカのZ1モータースポーツ製のものがあるくらい。
昔はTD05GキットのタービンをTD06SL2タービンに換えて、3.1リッターフルチューンエンジンに組んで700psとか800psとかがいましたが、
今もそのようなワンオフ対応ができるSHOPはどれだけあるんでしょうね。


ちなみに、1000馬力とかにするにはエアコン・パワステを取り払って、その位置にTD06S25GとかGT3037SとかRX6などの巨大なタービンを
ぶち込む人も存在はしました。(純正位置ではTD06SL2の20Gタービンあたりまでしかスペース的に入らない)
ただねぇ、その手はエキマニをステンレスの溶接でワンオフ製作することになるのですが、ハードに使うと割れるそうなんですよね。
Z32は割れるとエンジン脱着して交換になるからコスパが悪すぎる。 いろんな最新タービンを付けられるだろうけど、ちょっと割に合わないかなぁ。


そこで私が一番いいと思うのは、アメリカのポーラーエンジニアリングが出していた画像左側のエキマニキットです。
これは鋳物なので割れにくいし、何よりVバンドでウエストゲート式のタービンを組むことができます。
最新のG25正転タービンと逆転タービンの組み合わせで使うそうなのですが、Youtubeではこの組み合わせで900ps出たという人がいます。
ただこのエキマニキットはもう在庫切れで生産してなく、再生産があるかどうかも謎です。

なので、ベストはこのポーラーのエキマニキットにG30ー725タービン(G25と外形寸法が大差ないので付きそうな気がする)を3.2リッターに組む、
なんだけど、入手できないなら右側のAMS製のエキマニ(こちらも鋳物)にZ1のGTX2860Rタービンキットを3.1リッターに組む、かな。
ちなみに、ボアアップした場合のタービン注文時は、エキゾーストハウジングは大きい方を選択しないと私のようにパワーが出なくなるので要注意です。

その他補器類

まずインジェクターですが、ノーマルはサイドフィードの370ccで前期型と後期型でカプラーの形状が違います。
今前期型のものは入手できないので、前期型で交換するなら何らかの手を加えないといけません。 私の場合はJUNオートで加工してもらいました。
Z32の場合、だいたいインジェクター容量(cc)=許容する出力(ps)になるので、370ccだと370馬力まで対応できることになります。


今のところサイドフィードは740ccが入手できる最大ですが、クスコのインジェクター設定リスト上に810ccと1000ccが設定中との記載がありました。
私は最大でも700ps程度と考えていたので、ニスモの740cc(この場合燃料ポンプも容量アップが必要です)にしましたが、
Z1モータースポーツでは、前期型を後期型に変換するアダプターも含めた740cc(画像左側)や、トップフィードへ変換するキット(画像右側)もあります。
トップフィードなら1000ccオーバーも可能です。 また、福岡のDAYTONAでも前期型→後期型への変換アダプターは販売しています。


次はインタークーラーですが、やっぱりセンター置きが目立っていいと思います。 トラスト(画像左)とHKS(画像右)から出ていましたが、
トラスト製は今でも入手可能なのかな。 ただ、センター置きはラジエターにあたる空気の流れをさえぎってしまうので、ラジエターも拡大が必須と思います。
縦型(HKS)と横型(トラスト)がありますが、どちらでも問題ないと思います。 サイズはトラスト製が圧倒的に大きいです。


左右置きでは、画像左のZ1モータースポーツ製のB.A.インタークーラーが最大のようです。
私の当時モノのARCレーシングインタークーラーは、高さがこれの固定用の穴が開いている位置あたりまでになります。
画像右側はRob’z62mm削り出しスロットルボディです。 私は運良く入手できましたが、もう作ってないのかな。
純正は49.5mmですが、私も組んではいないのでビックスロットル化の必要性、効果にはちょっと疑問があるものの答えは持っていません。
ちなみに八王子のNAPRECで70φ化の加工をやっているようです。 アメリカではRob’zと同じ62mmスロットルが主流のようで何社かが販売しています。
いずれにしてもインマニの加工も必要だし、インテーク周りのパイプもすべて拡大しないとスロットルだけ大きくても意味がないので、結構費用もかかります。


最後はマフラーですが、マフラーは好みでいいと思います。 あ、その前にスポーツ触媒ですが、これは今はセントラル20の一択ですよね。
で、車検対応マフラーはフジツボ(メイン70φ、出口101.6φ×2か94φ×4)、アペックス(メイン60φ→65φ、出口115φ×2)、
ZEES(メイン76.3φ、出口130φ×2か100φ×4)、そして私が買った柿本(メイン70φ、出口100φ×2)があります。
メインパイプの口径に多少差がありますが、どのマフラーも大体どこかで60φ程度に絞っている(そうしないと消音しきれない)らしいので、
性能的な差はないと思います。 私は形で柿本を選択しましたが、ちょっと音が大きいのが気になります。
あとはワンオフ製作ですね。 これはどうなるかわかりませんが、私も音を小さくできないか柿本に相談してみようかな。

ボディ

私のZ32は1型2by2のTバールーフですが、ボディ剛性なんて無いも同然です。 というか剛性感を感じたことがありません。
そのおかげで乗り心地は悪くないのかもしれませんが。。。つまり補強すれば乗り心地は悪くなる。 この相反関係をどこで妥協するかが問題です。

エアロ

エアロは正直好みでいいと思います。 市販のエアロパーツなんて風洞実験で空力効果を検証したような厳密なものなどありませんから。
私がやった方が良いと思うのは、開口部の大きいフロントバンパーと、エア抜きのためのボンネットですね。
逆にやらない方が良いと思うのはエアロミラー。 とんでもなく見にくくなるので。
バンパーは6型なら純正でもいいと思います。 あとは最近再販になったJUNオートのフロントバンパーか、ペントルーフのフロントバンパーかな。
ちなみにJUNのバンパーは絶妙に純正のボディーラインに合わせてあるので、サイドも含めフルエアロにすると私のように高さが揃わないため注意が必要です。


あとはワイドボディにするかどうかですね。
今だとキットが出ているのはAB-FLUGのオーバーフェンダーキットかBEET、それかヴェイルサイドのワイドボディキット、
それに私が組んだTwinZDesignのワイドボディキットくらいかな。 ヴェイルサイドは片側10cm、他は片側7cmワイドになります。
注意しておきたいのは加工取付・塗装、合わせるタイヤとホイールなどでキットの2倍以上は金がかかることと、駐車場に苦労します。
都内近郊の機械式駐車場などは、大概車両幅1850mm以下か1950mm以下が多いためです。

ボディ補強

補強といってもできることは少ない。
私が知る限りでは、タワーバー、ロールケージ、ウレタン充墳、スポット増しくらいか。
手を付けやすいのはタワーバーですが、正直効果は疑問です。 私はまとめてやってしまったので個別の効果は分かりません。
今入手できるのはZoneのくらいかな? でもヤフオクで私のと同じAB-FLUGのが流れているのを見ました。
ただ、左右をつなぐバーとストラットタワーに固定するパーツをつなぐ部分が溶接ではなくボルト止めになっているものは、そこが動くとただ付いているだけになる
と思うので、ちょっと効果に疑問が出てきます。 私がつけているAB-FLUG製のもボルト止めなんですけど、これが一番カッコいいんですよね。


次にロールケージはダッシュ貫通の6Pか7Pがいかにも効きそうですが、Tバールーフだと開放感が失われます。 ノーマルルーフなら良いけど。
ただ、頭に近い位置を通るのでヘルメットをかぶると当たる可能性が出てきます。 ちなみに、4Pでもシートを一番後ろにしてちょっと背もたれ倒すと、ヘルメット
かぶってなくても頭が当たります。(身長175cmの私の場合) また、2by2だと車検的に4人乗りがNGになる可能性があります。
それと、後ろが見えにくくなるので、デジタルインナーミラー化は必須ですね。
ちなみに私はリアだけ4Pを選択し、その代わりサイドシルに発泡ウレタンを充墳しました。 効果は絶大でしたよ。

足回り

基本は車高調、ホイールとタイヤ、ブレーキですが、それ以外に、Z32はHICASが付いています。 いわゆるリアステアですね。
ただこれは今のものとは比べ物にならない性能の古いものなので、正直違和感しか感じません。 なのでロックしてしまうのが一番です。
また、アンダーが強い傾向にあるので、できるならスタビライザーを強化した方が良い。 今でもスティレンから出ているようなので、
それを組んでフロントをソフト、リアをハードに設定した方が良いと思います。

車高調

車高調は各車種用に販売されており、基本的には各社でテストした結果のスプリングレートやダンパーの設定になっています。
その上で、ユーザーの好みに合わせてダンパーを複数段調整できるようになっています。 ただ、各社がどの状態の車両をベースにテストしたかは分かりません。
なので、売っている状態で自分の好みに合わせられるかはわからず、スプリングレートからダンパーの硬さまで後から設定変更できるメーカーのものが良いです。


私は室内からダンパーの硬さを変更できるようにしたいので、TEINかBLITZになりますが、BLITZにZ32の設定はないので、TEINにしました。
TEINは複筒式ですが、だいたいの車高調は単筒式です。 基本的には単筒式の方が性能が良く、複筒式は乗り心地が良い傾向にあります。
単筒式ならおすすめはエンドレスかな。 ブレーキもエンドレスにするのならですが、まとめて相談ができると思うからです。

ホイール&タイヤ

これも個人の好みですが、真円度や強度では今でもBBSが最強で最高だと思います。
その昔首都高を走ってた頃は、現場で誰に聞いてもBBSが一番、ほかのメーカーのは歪むよ、と言われていました。
ただ、それはよっぽどハードでハイレベルに酷使した場合であって、普通に使うなら国内有名メーカーのものなら鍛造でも鋳造でも、どれでも問題ないと思います。
タイヤは、それこそ銘柄は個人の好みですが、ノーマルボディだとフロントは235/40R18、リアは265/35R18まで入ります。
ノーマルは225/50R16で直径は632mm、18インチだと645mmくらい。
インセットにもよりますが、645mmでフロントタイヤをフルステアしたときにインナーフェンダーに当たりそうでした。


ちなみにワイドボディにすると、片側70mmワイドとした場合理論的には265+70で335までは入ることになります。
ただ、直径を考慮すると、フロント265/35R18、リア315/30R18くらいになりそうですが、タイヤの銘柄が極端に限定されます。
私の場合、ここで19インチの可能性を探り、直径が668mmとなりノーマルより36mmも大きくなりますが、
フロント265/35R19、リア305/30R19を、ラジエターのリザーバータンクを移設することで入れることができました。

ブレーキ

ノーマルブレーキは弱すぎです。 高額ですがキャリパー交換をお勧めします。 というか必須と思います。
当時はトラストのアルコンか、ブレンボの流用くらいしかなかったですが、今は削り出しのモノブロックキャリパーがいろんなところから出ています。


有名どころでは、ブレンボ、APラディカル、D2、エンドレスあたりですが、正直おすすめは国産のエンドレスです。
エンドレスは多分今もやってると思いますが、パッドもワンオフで特注できるので、自分好みのブレーキが作れると思います。
ただ、レーシングキャリパーは良いのですが、ダストブーツ付きのストリート向けのキャリパーがイマイチなのが弱点かな。
モノブロックがMONO6しかないし、全体的にデザインがイマイチ。 今やキャリパーもファッション性を考えた方が良いと思うのです。


キャリパーのファッション性とは、デザインとカラーはもちろんですが、サイズも重要と思います。
ビックキャリパーで問題になるのはホイールとの関係で、キャリパー・ローターは大きい方が良いですが、ホイールのリムは深い方が良い。
これは相反関係にあるので、キャリパーはカッコよく、効きが良く、そして薄いものがこれからのポイントになると考えています。
その点でおすすめはD2。 私が組む時、どれよりも薄くて助かったのです。 色も豊富だし、効きはどれでもストリートなら十分だし。
私が買った後に出たスポーツホロー(画像左下)ならデザインもいい。 こういうところも重要です。

内装

内装も個人の好みですが、よく見るのはダッシュボートマットかな。
Z32はフロントガラス付近にあるデフロスターの周りが浮いてくる症状が有名です。 私のも助手席の前側が浮いているのが画像でわかると思います。
これは日差しで高温になることが影響しているようで、マットはその抑止と浮き隠しの効果があると思います。 が、まだ浮いていなければサンシェイドでも
室内温度を大きく抑えることができるので効果的だと思います。 私はサンシェイド派です。 あとドアノブが白くなります。
ステアリングも個人の好みですが、私は純正派です。

シート

シートは車検を考えると、ちゃんと書類を出してくれるブリッドかレカロしかないと思います。
フルバケかセミバケかがありますが、ストリートユースならフルバケは使い勝手が悪いのでセミバケをお勧めします。


セミバケだと、日本人仕様なのかレカロよりブリッドの方がホールド性が断然いいのですが、ユーロスターだと見た目がイマイチだし、
ストラディアだとフルバケかと思うくらいのホールド性に引き換え、体がスポっとはまるので日常の使い勝手がどうなのかと思います。
ただレカロはデザインはいいですがホールド性がイマイチ。 どちらを取るかは悩みどころです。

オーディオ

Z32の純正オーディオはフロントにカセットかCDのメインユニットが基本で、メーカーオプションでBOSEオーディオ、
ディーラーオプションでCDチェンジャーを組み合わせることができました。 画像の通り1DINユニットの2段構成になっています。
ここはナビを付けられるように、エアコン部分を含めたプラスチック部分をごっそり交換する2DINオーディオベゼルが出ているので、
それに換えてナビかディスプレイオーディオをメインユニットとして入れるのが良いでしょう。


Z32は2by2でも後ろに人を乗せようという人はいないと思いますから、スピーカーはフロントだけの2wayか3wayにし、
メインユニットにDSPがあればそれでコントロールするのが良いでしょう。 サブウーハーをプラスしてもいいと思います。
また、私ののようにBOSEオーディオが入っている場合は、ドア内にスピーカーボックスが入っています。
これはデットニングよりも音質に高い効果があるので、活かせるならこれを使わない手はないと思います。

その他

追加メーターは、ブースト、油温、排気温度は追加した方が良いと思います。
純正の水温と油圧計は感度や数値的な精度はあまりないですが、肝心なのは針の動きなので、そこがいつもと違わないかが確認できれば純正でもいいと思います。


あとは、プラスチック部分をカーボンに置き換えるのがやりがちですが、やり過ぎるとそこだけ目立ってくどいと思います。
フルカーボンにするのなら、ダッシュとかオフブラック部分も革張りに変えるとかしないと、バランス取れないかな。
私のと同じ1型は、グレイ部分のジャージ生地が結構不評だったらしく1型しかこの生地を使っていません。
この部分をアルカンターラに貼りなおすとかもいいと思います。